岡山大は13日、コンピューター断層撮影装置を活用した独自開発の医療ロボットによる初の臨床試験を同大病院で6日に行ったと発表しました。病理検査のため針で腫瘍組織の一部を採取し、患者は翌日退院しました。ロボットは、アームの先端に取り付けた針を患部に刺してがんを焼き切ったり、凍らせたりできます。医師はCT画像を確認しながら遠隔操作するので、医療被ばくを避けられるメリットがあります。当面は、検査用に組織の一部を切り取る「生検」に用いる計画で、同大病院は患者の協力を得て2020年5月までに10例を目標に臨床試験を重ねる予定です。初の臨床試験は左の腎臓に約3センチの腫瘍が確認された60代女性に対して実施されました。要した時間は約30分で、目立った合併症や副作用は起きなかったということです。臨床試験を担当する同大医学部放射線科の平木隆夫准教授は「精度や時間は、人の手で行う従来とほぼ変わらないが、将来的には人の手では難しい症例にも対応できる可能性がある。へき地への遠隔医療にも活用が見込める」としています。ロボットは同大の医学部と工学部が開発し、4~5年後の実用化を目指しているということです。